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考察:音楽・教育 - 2018年1月21日

ピアノと教育

百獣の王、武井壮さんがテレビで言っていた彼の教育論が印象的でした。以下、要約です。

「全国でスポーツを頑張っている人たちが1000万人程度いる中で、スポーツで経済活動ができるようになる人は1パーセントにも満たない。残りの99%の人たちにとってスポーツが終わるとき、それまで積み重ねてきた努力が無に帰す。その労力を費やすのはすごいギャンブルで、日本にとっては大きな損失。だからもし自分が学校を作ったら、スポーツをやりながら会社を立ち上げてビジネスをどう回すのかということを教える。」

これは日本の多くの教育機関に当てはまることで、音楽の分野も例外ではないと思います。学校でお金を稼ぐ、ということはあまり習うことはないでしょう。それはさかのぼると江戸時代の士農工商という身分制度が象徴する、貴穀賤金という思想が根付いている日本の文化で、金儲けは卑しいという考えです。

武井さんの言う「ビジネスを回すことを教える」のが、スポーツに関連したことをベースにしているのか、全く別のことで稼ぐことなのかはわかりませんが、頑張って熱中していることをどうお金に変えていくか、を教えることは生きていくための知恵を培うためにとても必要だと思います。

これをピアノに置き換えると、演奏することをどうお金に変えるか、という話になるのですが、いきなりマネーというのも露骨すぎるので、奉仕して対価を得るという考え方にすれば「どうやったらピアノで人を喜ばせられるだろう」という課題にたどり着きます。私はそれを最初、身近な人のために「ハッピーバースデートゥーユー」を弾いてあげることだと思いました。お誕生日おめでとうと言われてうれしくない人はいないと思います。それを楽器で奏でてくれたら、きっとうれしいと思います。そのときその曲をプレゼントした人は、初めて自分の演奏が実用化されたことを実感できるのです。

教育に関して論じる人が教育関係者以外の文化人にも増えてきて注目を浴びているのは、インターネットの進化に伴い色々な情報が飛び交っていることが理由なのは間違いないでしょう。中には「学校なんて行かなくても学校で習う知識はほとんどネットで見つけられる」として学校不要論なんて極論まで出ているし、実際にインターネットをフル活用した通信制の学校が現れて注目を浴びています。

行政もグローバル化に伴う教育現場の在り方に着目し始め、センター試験が2020年から変わることになったり、着実に教育は変わっていく流れが生まれています。

ピアノも多くの子供たちが通う習い事であることから、この流れとともに変わっていくことが求められていくと思います。

これからこのブログでも、少しずつこれに関連する話題を取り上げていきたいと思います。

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