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Eラーニング - 2021年6月17日

ピアノ音楽と演奏技術を自力で獲得していこう

今回の記事は、以下2点がテーマとなります。
①より主体的に能動的に音楽を学ぶ
②ピアノ教室はいつまでも通うものではない

ゲーミフィケーション

私が担当している生徒さんのピアノレッスンに「ゲーミフィケーション(Gamification)」という、ロールプレイングゲームでアイテムを集めるように音楽の知識やピアノ演奏技術を取り込んでいく仕組みを導入していきますので紹介します。

概要

読譜、リズム、運指(音域)、コード(ハーモニー)、アレンジ、理論、そしてまだありませんが聴音など、音楽学習とピアノ演奏に必要な要素を細分化し、自分は何ができる、また何がまだなのかを視覚化し、生徒さんが自分の課題を自分で見つけることを目指します。

また、曲から学ぶことにあわせて、曲に学んだ知識や技術をとり得れることでさまざまな形に音楽を作っていく事を目指します。バイエル、ブルグミュラー、ツェルニーのように、難易度に応じて選曲するのではなく、一つの曲がどんどんバージョンアップしていきます。例えば「メリーさんのひつじ」は初歩の定番ですが、長音階を12種類覚えればメリーさんのひつじは12パターン弾けるし、ハーモニーやリズムにもバリエーションを加えることでかなり自由に音楽を作れるようになります。これは私の生徒さんで幼稚園児から実践しています。

背景

現在一人で40人ほどの生徒さんを担当しており(本業はピアノ調律師です^^)、日々こちらが生徒さんから学ばせていただいており、また感動をもらっています。

私が目標に掲げるピアノレッスンに「モーツァルトが音楽を身につけたような方法で」というものがあります。バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、もしかしたらショパンやリストの時代まで、当時は教材というものが乏しかったため先生が生徒のために練習曲(エチュード)を作曲したそうです。モーツァルトは父親が音楽家だったので、父子でディスカッションしながら音楽を創作するという、教育というより職業訓練のような側面があったとの見方もあります。

実践と課題

その目標のため、私のピアノレッスンでは生徒さんたちは市販の教材は買わず、こちらで用意した童謡やシンプルなクラシックのメロディにハーモニーやリズムパターンを足して音楽を作ることを体験してもらっています。レッスンでは「今日はどんなピアノを聴かせてくれるかな?」という言葉からはじまり、その日の生徒さんの状態から次は何をしようか、と試行錯誤する、いわばレッスン自体がアドリブになっています。

よりフレキシブルに、自由に、生徒さんに合わせて、をスローガンにしている一方、40人も生徒さんがいるため(繰り返しますが本業は調律師)「誰に何を言ったか覚えきれない」弊害が生まれました。

1から10まで並んだ1冊の本に沿って進めるなら順番どおりにこなしていけばよいのですが、前の曲に戻ってそこに新たな要素を加えて、というように、一つの曲をバージョンアップすることでどんな曲にも適応させようとしているので、生徒さんの現在地を混同してしまい「えーっと、これはやったっけ?」となってしまったりするのが課題でした。

また教科書がないので、生徒さんにとってはこれからどうなっていくのかが全くわからず、生徒さんを受け身の状態にしてしまっていることに気づき、これは大きく反省しました(これが一番大きいです)。

より能動的な学びを目指して

これらの課題を解消するため、ピアノを弾くために必要な知識や技術を一覧にして、誰が何をできたら記録することにしようと思いつきました。ちょうど同じときに、インターネットのホームページ上でそれができて、生徒さん自身が身につけたもの、これから必要なものを可視化できる仕組みを作れることがわかりました。生徒さんのランキングなどはしませんが、多様なライフスタイルから自分のスタイルを模索できるようになれたらと思っています。

今回取り入れたゲーミフィケーションはロールプレイングゲームでアイテムを獲得していくようなイメージで、自分がピアノで何ができるか、何が足りないか探していけるようなスタイルを目指しています。誰が何をできるか詳細は公にはしませんが、全体の傾向を見て自分の課題にも気づいてくれたら、先生に諭されるのではなく自分の内側から欲して行動に移してくれたら、それこそ真の「学力(学ぶ力)」となるのです。

ピアノ教室からの卒業を目指そう

私自身中学生のときにギターを手に入れて、そこから好きなバンドの曲を弾いたりするまでに人から習ったことはなく、本屋さんで立ち読みしたり友達と情報交換しながら自分でやりたいことを解決していました。

現在はインターネットでいくらでも情報が入手できるので、正直ピアノ教室なんて最初のとっかかりにサポートが必要だとしても、いつまでもひとりの先生に師事を仰がずとも、世界中のピアニストたちからアイディアを得て吸収していくことができます。ピアノに限らず、知りたい欲求が湧き出たとき、具体的な課題を特定して行動に移すことは、他人に解決を委ねることより何倍もの力を発揮します。

南国ピアノスタジオの生徒さんたちと能動的なピアノレッスンに取り組みながら、Eラーニングの分野でも活用できるよう、さらに掘り下げていきたいと思います。興味のある方は、遠方からでもどうぞお問い合わせください。可能な限りお手伝いさせていただきます。

体験レッスン、見学、随時受付しています。

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