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レッスンでしていること - 2021年4月10日

音楽脳を作る

ピアノレッスンはいつまで通いますか?

ピアノレッスンにでの最大の目標は「ピアノで弾きたい曲を自分で見つけて自分で実現する能力(=行動力)を身に付ける」ことだと考えています。ピアノを弾く人に「自分は一人前だ」と自信をもって言い切れる人はそういないでしょう。終わりの見えない道ではありますが、人から教わって身に付けることよりも自ら開拓していく力を備えることが大切と考えています。なので「ピアノレッスンはいつまで通いますか?」という問いには「できるだけ早く卒業できた方がいい」と思うし、実際問題「中学生で終わり」くらいでいいと思っています。ピアノに限らず、欲しい知識や能力を自ら獲得する行動力はこれからの社会を生きる若者には必須となりますから。

そうなってもらうために日々試行錯誤するのですが、そのためには、持ちうる知識を一方的に生徒さんに投入するだけはなく、内側から欲してくれることを待つことも大切と明確に思うようになりました。言葉を変えれば、こちらの主観で習得度合いを判定するのではなく、本人が自身を客観的に見て考え、必要に応じて自ら情報収集し獲得する意欲と行動力を持ってくれることを待つことです。

大切なのは安心してもらうこと

過去のブログ記事でも紹介しているとおり、ピアノの演奏技術を身に付けることは容易ではありません。いかにピアノレッスンを楽しんでいってもらおうとも、生徒さんは時間内で確実にエネルギーを消費しますし、困難にぶつかったときのストレスはレッスン内で感じるはずです。あえてそれがわかった上で「大丈夫、絶対できるから」と励まし、たとえ1ミリでも前進すれば全力でほめて「君はできている!!」を肌で感じてもらえるよう努めています。特に最重要視しているのはスマイルです。レッスン室に入ってくるときに笑顔があれば、最低でも教室に来るのは嫌ではないことになります(と思っています^^)。そうして「ピアノに行くことが重い」にならないことを意識しています。

子どもたちは時間の経過とともに心身が発達していくので、簡単にいえば時間が経過すればある程度はできるようになるし、やらせようと思えば「先生」の立場をフル活用して保護者の方も巻き込んで「やらせる」ことは可能です。ですがそれでは市販の自由研究教材を購入してさも夏休みの課題をこなしたかのように見せる行為に等しいですし、何より「自ら欲して獲得した結果」にはなりません。だから個人差はあろうとも動き出してくれるために工夫をし、外側から動かすより内側から動き出してくれることを待ちます。

そうすると、不思議と30分のレッスンの中で5分しかピアノを触れなかった子も、こっちが頼まなくても「もう1回、もう1回」と延々と弾き続けてくれるようになります。本当にうれしいときです。

脳を音楽に慣らしていく

なんの科学的根拠もない思い込みですが、このようになったとき、その生徒さん(多分大人も子供も関係なく)は、音楽を奏でる脳の下地ができた状態になっているのでは、と考えています。私自身のアメリカに留学してたときの経験で、睡眠中の夢の中で英語でやり取りをしたことに驚いたことがありました。それだけ英語が日常となって、無意識の状態でも英語が自然に出てくるようになるのです。音楽も、与えられた課題をこなすのではなく、自然と内側から音楽が湧き出てくるようになったら、ある意味軌道に乗ったといえるのではないでしょうか。

言語と音楽は、学ぶプロセスが似ているという学術研究もあります。ピアノと脳トレの記事にも紹介しているように、音楽に自身を慣らしていくことが大切です。楽しみながら、とはいうものの、ときには反復などの重労働は避けて通れませんが、その向こうの喜びの方が大きいという実感にやみつきになってもらえたらうれしいです。

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