中学生徒ちゃんのピアノ愛
ある中学生の生徒さんは、実は幼児のころ南国ピアノスタジオに通っていて、中学生になってまたピアノを弾きたいという思いを持って再び来てくれるようになりました。
J-POPの曲を弾きたいということで何曲かチャレンジしていて、音符を読むことにも慣れてきたし、鍵盤を指で操作することにも少しずつ慣れていきました。部活でスポーツに打ち込みながら、勉強に励みながら、少しずつ進めていってくれたと思います。
しかしあるとき「今度引っ越すことになって、新しい家にはピアノを置けないんです」という話を聞きました。正直このとき、ピアノ教室に通えなくなってしまうかもしれないな、という危機感が生まれました。でも来てもらっている以上は前進あるのみ、ということで、おばあちゃんの家に置いてきたピアノを触ったり、スマホのピアノアプリでも楽譜を読む練習にはなる、という提案をしたりして、少しでも音楽に携われる時間を作る工夫をしました。
そしてあるレッスンのとき、こちらが渡した課題はできなかったものの「この曲を弾いてきた」と聞かせてくれました。簡単そうな曲をピックアップして、ピアノアプリや、学校に楽譜を持って行って体育館のピアノを弾いたり、音楽好きな友達といっしょに遊んでいるようです。
この話を聞いたときは本当にうれしかったです。「ピアノを弾きたい」という思いが生徒さんを行動させ前進させたのです。練習するとか、課題をこなすとか、目標に到達するとか達成するとか、外側からの責任を果たすのではなく、内側から沸き起こる衝動でピアノに向かって自分から動いたのです。かけがえのない一歩になったと思います。
「じゃあ、ピアノを弾くことがもっと楽しくなるように、次はこういうことをやってみよう」と提案してその日は終わりました。次に会うとき、それができるかはわかりませんが、またピアノを弾くことが楽しくなるよう、全力でバックアップしたいと思います。
※写真はブログの記事とは関係ありませんが、いただき物の置物が素敵なので紹介させていただきます。