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考察:音楽・教育 - 2018年1月24日

クラシックとジャズのピアニストでは脳の働きが違う

The brains of jazz and classical pianists work differently

ドイツのライプツィヒにある脳科学研究所での調査によると、クラシックを演奏するピアニストとジャズを演奏するピアニストでは脳の働きが違うことが明らかになったという記事が掲載されていました。

ジャズ、クラシック、それぞれ15人ずつ計30名のピアニストを集め、モニタに映しだされるピアノの鍵盤と、和音を奏でる手の動画を見ながらそれを音の出ない鍵盤で真似てもらい、脳波を取って比較する、というものでした。なお、和音は複数順番に演奏され、間違いも含まれていたということです。

両グループの際立った違いは、映像を見ながら鍵盤を弾くときの手の動きをどう計画するか、に現れたそうです。

クラシックピアニストは「どう弾くのか」に着目し、ジャズピアニストは「何を弾くのか」を意識していたようです。結果、クラシックのピアニストはより正確な運指で弾きこなし、ジャズピアニストはイレギュラーな変化にも柔軟に対応する傾向がみられたとのことです。

なるほど、楽譜に収録された情報を再現するクラシックと、即興で演奏するジャズの違いがそのまま表れた結果となったようです。どちらも機能するのがベストなように思えるものの、この記事の冒頭ではジャズピアニストのキース・ジャレットのインタビューを取り上げ、彼に投げかけた質問「一つのコンサートのプログラムにジャズとクラシックを混在させることはできるか」に対する「それは無理だ」と答えたことを踏まえると、どちらも均等に訓練していくことはむずかしいのだろうな、と感じました。

しかし即興演奏はジャズだけのものではないし、モーツァルトやベートーヴェンの時代にも即興演奏は行われていたようなので、これから日本でも求められていく教育の形を思うと、ピアノ教室でのレッスンにもこういった指導は必要になっていくのだろうな、と感じました。

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