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ピアノを弾く姿勢

ピアノを弾くことは、体の外にある道具を操作する作業ではあります。厳密な話ですが、ピアノを弾く姿勢、鍵盤の押し方で音が変わると言われています。そして、難易度の高い曲を演奏するようになったとき、一曲の演奏時間が長くなったとき、体に負担が小さい姿勢や手の使い方を身につけていると、腱鞘炎などの故障を回避できます。体のコントロールには時間がかかりますが、意識して少しずつでも理想のスタイルに近づけていきましょう。

ピアノの前に座ったときの、ピアノと体の位置関係について、上下、左右、前後、下半身の4つの視点から解説します。個人差があるため100%当てはまらない場合もありますが、試してみてください。

左右位置

前の項目の88の鍵盤を参考に見てみましょう。

ピアノの鍵盤は88あり、そのちょうど中央になるのがE4とF4の間です。鍵盤の番号では44と45の間になります。

この中央におへそが正面になるように体の位置を左右に調整してみましょう。

上下位置

上下位置は肘と鍵盤の高さを合わせます。ピアノの前に座って両腕をぶら下げ、両腕を地面に対して垂直にします。そして肘から下のみを上に上げて、脱力して丸まった指先で白鍵に触れたとき、肘から手首が下り坂になるように斜めになる位置に椅子の高さを調整します。

左右上下前後で最も重要なのが上下ともいえます。パソコンのタイピングでも、デスクが高く肘よりも手首が高い位置にあると手首に過度な負担がかかることがあります。体への負担を抑えて演奏できる姿勢を見つけます。

前後位置

ピアノと体の距離を調整します。ピアノの前に座って両腕をぶら下げ、両腕を地面に対して垂直にします。そして、指先を真っ直ぐに伸ばした状態で肘から下だけを上にあげます。このときに、中指の先端が白鍵の先端に触れるくらいが適度な間隔です。

このままでは鍵盤を押せないので、実際の演奏では上半身を若干前傾させています。

下半身

ピアノの椅子は、ダイニングチェアや勉強机の椅子のように深くべったりとは座らず、座板の前方にちょこっとお尻をのせるイメージで座ります。そして、右足をペダル付近に置き、左足は膝の真下より若干体寄りに引きます。こうすることで、高音域や低音域に向けて上半身を傾けてるときに両足で体を支えることができます。


ピアノは指で鍵盤を押して演奏する楽器ですが、指先、手首、肘、肩、腰、足など、体の沢山の部位を使っています。演奏の経験を積むにつれて演奏時間が長くなれば、より体に負担が小さい奏法を身につけることが求められます。最初から完璧なフォームは身に付かなくても、このような方法があることを覚えて意識していれば後々役立ちますので、参考にしてください。