「この曲を演奏したい」のお手伝いをさせていただきます。
大人の方からよく聞かれる質問が3つあります。
1.何から始めたらいいかわからない、おすすめは?
2.定期的に通って自分に強制したい。
3.ちゃんと弾けているのかわからない。
これら3つを自分でできるようになることが大人の自立です。しかしとりわけピアノでは「ピアノ教室で先生に習う」という固定観念が強すぎて多くの方が一歩踏み出すのを躊躇しています。一つずつ解説します。
1.何から始めたらいいかわからない、おすすめは?
自分が好きな曲から始めるのがベストです。ピアノ演奏を身につけるにあたって、基礎が大切とかバイエルやハノンなど順を追ってとかよくいわれるのですが、それは一部の教える側の論理です。最も大切なのは、ピアノを弾く本人が心から満足してピアノに向かっているかどうかです。音楽はオタクの趣味です。人に与えてもらうより、自分の内側から欲して手に入れることで得られる喜びです。不思議と人は自分で決めると一目散に突き進みます。わからなかったら震えるほどの感動を探すことから始めましょう!YouTubeなどインターネットで無料で教えてくれる動画やサイトがたくさんあります。インターネット時代は、人に習うより自分で獲得する技術が求められ、これを実践している人とそうでない人との間に大きな差が生まれています。自学自習は時間がかかりますが、人に授けてもらうよりよっぽど身になります。ぜひチャレンジしてください。
2.定期的に通って自分に強制したい
人が本当にやりたいこととは、一人になって最も自由な時に自然とそこに向かって始めることだと考えています。「ピアノ教室に通うことで強制的にピアノを弾く習慣をつけたい」とは、言葉を変えれば「ピアノを弾くことがそこまで高い優先順位にない」可能性があります。どんな楽器でも、演奏できるようになるということは日常に楽器に触る時間を組み込むことです。普段ご自身の周りにあるものの優先順位を見直して、音楽を上位に持っていけるよう整理することでピアノに向かう時間を増やせるかもしれません。もしくは、他の何をも押しのけてでもやりたくなるような感動にまだ出会っていないのかもしれません。いつも「ピアノを弾きたい」という思いで、外側にアンテナを向けて感動を探してください。
3.ちゃんと弾けているのかわからない。
自分の状態を第三者的に一歩離れたところから見ることを「メタ認知」といいますが、これは容易にできることではありません。できていたとしても、ちょっとした油断で崩れてしまうこともあるそうです。しかし楽器演奏の分野ではこれを実践する方法があります。それはSNSに自分の演奏を投稿することです。詳しくは別の機会で解説しますが、インターネットを活用すれば、世界中に自分の演奏を匿名で発表でき、同じような境遇の人と出会い、意見交換をしたり習ったりすることができます。より視野を広め、有益な情報を選択する技術を身につけるのもピアノに限らずあらゆる分野で求められる能力です。楽器の演奏なら失敗しても経済的なダメージを受けることはありませんし、精神的に嫌な思いをすることはあるかもしれませんが、それも受け入れての学びです。
私は「ピアノができればなんでもできる」をスローガンにしています。みなさん忙しいとは思いますが、限られた時間を有効に使ってピアノに触れる喜びを味わっていただけば幸いです。