公民館を借りての演奏会
これまでも何回か開催してきたミニ演奏会を、今回は近所の公民館を借りて開催しました。自治会長さんのご厚意でピアノを設置させていただけることになり、アップライトピアノを軽トラックに載せて搬入しました。重いピアノを運ぶ作業にご協力いただいたお父様方、ありがとうございました!
動いてくれるまで待つ
今回の参加人数は16人。保護者の皆様やご兄弟も一緒に参加していただけてよかったです。
このミニ演奏会は、生徒さん同士が友達になることも目的としていて、折り紙を作ったり絵を描いたりして、作品を他の生徒さんにプレゼントするのもイベントの一つです。そして、メインの演奏については順番を決めることなく、強制することもなく、弾きたい人がピアノを演奏するスタイルにしています。ちょうど友達同士のカラオケで好きなように歌ったりするように。
毎回そうなのですが、このように初めるとピアノを弾いてくれる人がすぐに現れるわけでもなく、しばらくシーンと紙を折る音やひそひそとした話し声だけが聞こえる時間が続きます。「このまま終わってしまうのではないか」という不安にも駆られます(^^)。
「ジングルベル」のオンパレード
ところが一人の子が弾き始めると、次、また次、と次第にみんな舞台に上がり始めます。今回は季節的なタイミングもあり、ほとんどの子が「ジングルベル」を演奏してくれました。
南国ピアノスタジオのピアノレッスンでは、まったくの初心者でもコード弾きから始め、12の長音階をマスターしてもらいます。早い子だと幼稚園年長で出来るようになります。そしてアレンジの一環として曲中で移調もするので、それぞれの生徒さんがバラエティ豊かなジングルベルを奏でます。生徒さんによってはイ長調だったりホ長調だったりニ長調だったり。変ホ長調の子もいたと思います。そして、左手のリズムがベースだけだったりアルペジオだったり、コードからコードへのつなぎのフレーズだったり、多様なジングルベルをお聴きいただけたと思います。
1人何回でも好きなだけ弾いていいので、多い子で8回舞台に上がってレパートリーを披露した生徒さんもいたようです。ある生徒さんが「猫ふんじゃった」を弾いたら他の子も真似したり、全然教室でやってない歌を弾いたり、なんでもありの演奏会で最後の方は6~7人くらいの行列ができるほどになっていました。
子どもたちの社会がある
演奏もそこそこに、生徒さん同士の交流を目的としているので、机や椅子を片付けてドッジボールをして遊びました。ある生徒さんは怪我の治療中でボール遊びができなので、他のゲームを提案することに。みんなその生徒さんの説明を聴きながら「あ~なるほど」などと声を上げながら、次第にゲームにのめりこんでいきました。大人は周りで「え?何?」とついていくのに時間がかかっていましたが、子供は飲み込みが早く自然に遊びに夢中になっていきました。
そうなるともう大人は必要ありません。子供たちが「あれしよう」「これしよう」と自由な活動を展開していきます。
この遊びを見て、また以前からも感じていましたが、子供には子供の世界があるのだと思います。生徒さんのメロディに伴奏をつけるとき、派手なハーモニーやフレーズがなくてもシンプルなリズムで十分楽しんでくれるし、今回の遊びだって、大人がお膳立てしなくても自分たちなりに楽しんでいます。大人が「いいね」と思うポイントと子どものそれは全く別物なのだ、ということがよくわかりました。
その子供たちの楽しみ方、幸福感の中にうまくピアノや音楽を組み込んでいって、子供たちなりの音楽を追及できる環境づくりを整えることこそピアノ教室の2022年の目標として進めていきたいと思います。