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考察:音楽・教育 - 2022年8月10日

ピアノが上達する~子供におすすめの遊び

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関 勝史

@pianostudio

ピアノを弾くにはピアノの練習をするのが一番なのは間違いないです。そこに日常的にこんな習慣や遊びを取り入れたら役に立つだろうな、と思ってきたことを保護者さんとお話したりしながらネタを集めてきました。おおげさなタイトルですが、お子さんにピアノをさせたい保護者さんに知ってほしいおすすめの遊びです。動画の中で紹介している内容を簡単に解説します。個人的な考えで、学術的な裏付けなどはありませんが、複数の保護者さんから効果があるとの意見もいただいています。

身に付けてほしい習慣

ピアノを聴く

まずはなんといってもこれです。ピアノは楽譜を読んで88の鍵盤に狙いを定めて操作していく複合作業、いわゆるマルチタスクで相当な負荷が脳にかかります。人間は生命の危機が迫ったとき以外は楽をしたい生き物なので、好きでもないピアノを弾けといわれても嫌がりますが、音楽に感動していれば全く苦ではなくなります。たくさんのピアノ曲を聴いて音楽に憧れを持ちましょう!

歌を覚える

これも感動があればなんてことはないのですが、興味のない歌を覚えることは結構な労力でエネルギーを使います。少しでも好きな音楽があれば、音源がない状態でもソラで歌えるくらい覚えましょう!楽器で演奏する大きな助けになります。

おすすめの遊び

LEGOブロック

LEGOベーシックとかクラシックがおすすめです。差し込むボタンの数を使い分けることで、パターンを認識する能力が高まると思います。「〇〇〇〇」を目にしたら数えなくても「4」と判定できる速度が上がれば、音符を読む能力を補助してくれます。

ウォーリーをさがせ

無数の人物の中から一人の顔を探し出す作業が五線の音符をそれぞれの音名に仕分けする作業に似ていると考えています。人間は聴覚と嗅覚は生後間もなくから母親を判定できるほど発達していますが、視覚の発達が最も遅く、視界に飛び込んできたものを正確に認識するのにエネルギーを要します。ほかにも絵本の「みっけ」など、間違い探し系が役に立ちます。

折り紙

手先で紙を折って作品を作る作業が脳に良いとも言われますが、ここで大切なのは動画を見ながら作るのではなく本などの静止した図を見ながら作業することです。小さな生徒さんに、鉛筆などで音符を指すガイドがあれば上手に弾けても、ガイドなしだと生徒さんにとっては難しくなります。それだけ静止しているものを目だけで追っていくのは難しいのです。数えるときに指で刺しながら数えるのと、目だけで数えるのが違うのと同じです。折り紙の図の行程の変化を目だけ追って認識していくことでウォーリーを探せと同じようなトレーニングになります。

かるた

広い範囲にちりばめられた絵や文字を探す作業も同じように視覚のトレーニングになります。

ビーズ(アクセサリ)

これはLEGOと似ています。あるデザインを作っていくために異なる色やサイズのビーズを並べていくことでパターンを認識する作業が高まると考えています。

小学校高学年から大人の方におすすめ!

プログラミング

思考力を高めるために有効と考えています。ピアノを弾くということは「わからないものをわかるようにする」作業です。プログラミングも同じで、イメージしたロジックを実現するために施行を凝らし、できないときには「じゃあどうしようか」という解決策を探します。また、優秀なプログラマーは読む能力に長けていると聞きます。作ったプログラムが動かない、いわゆるバグがあるときに膨大な文字の中からたった一つの原因を見つけるのです。このような作業も楽器の演奏と少なからず関係があると思います。事実、IT業界には楽器を演奏する人も多いです。

家電の取説

電子レンジでクッキングをするとか、ビデオレコーダーで番組の録画予約をするとか、慣れれば大したことない作業でも初めは苦労するものです。なんとなくやってできることでも、都度説明書を確認してステップバイステップで作業する労力は大変です。説明書をしっかり読むことで思わぬ発見もあります。ぜひチャレンジしてください。

アンケートに答える

ホテルに宿泊した後とか、何かのサービスを受けた後に求められるアンケートは面倒なものです。企業側もプレゼントなどのノベルティをつけてでも顧客の思いを知りたいものですが、なかなか集まらないのも一つの現実です。答えるのが面倒でも、これが一つの脳トレになると思えたら回答する価値はあるのではないでしょうか。「担当スタッフの応対はいかがでしか?」という質問に十段階で判定するなど、自分の経験がどうだったか、を振り返り検証する作業はとても有効です。これも少なからず楽器の演奏に役立つと考えています。

情報収集能力:細かいものに狙いをさだめる

ピアノ調律師の間で「精度を高める」という言葉がよく使われます。例えば、子供が人の顔を紙に描くとき、3歳児は顔を円で描いてその中に目を黒い点にして口は半月などのようにおおざっぱですが、次第に髪がついたり耳や鼻が加わって眉毛、白目黒目など細かい描写が加わっていきます。音楽も同じで、なんとなく歌っていてもピアノで演奏するとなればどの鍵盤をいつ押していつ離す、という、大袈裟に言えばデジタルな動きが求められるのが楽器の操作です。そして楽譜から目的を得て鍵盤に反映させるという作業に慣れていくには練習はもちろんのこと、日常のちょっとしたところでもできるトレーニングがあります。他にもあれば紹介していきたいと思いますので、役に立ちそうだと思っていただけたら実践してみてください。