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レッスンでしていること - 2023年1月25日

音符を目で追うのは超ムズイ

幼児の生徒ちゃんたちとピアノをしていると、音符を読むという作業、もっと具体的にいうと、午前のどの位置に音符が位置しているのか正確に特定する作業は相当エネルギーが必要なんだということをつくづく感じさせられます。順調に音符を追っているように見えても、何かの拍子に見失ってしまうこともよくあります。

文部科学省のサイトに「拡大教科書の標準的な規格について」というガイドラインがあり、そこによると「本文の文字の大きさは、小学校3年までは26ポイント程度、それ以上の学年は22ポイント程度を基準とする」と推奨されているので、子供には相当大きく見せてあげないといけないことがわかります。

写真のように、幼児の子にはピアノを弾きながらもう片方の手の指で追いかけてもらったり、横から鉛筆などでさしてあげたり、何らかのサポートがあると助けになりますが、やはり自力で音符を追いかけながら弾けるようになってもらえたら何よりです。

訓練が全てではない

ピアノに向かって楽譜を読むことを習慣づけてくれたら何よりではありますが、子供にとっては練習が全てではないことも少しずつわかってきました。体の成長とともにピアノ演奏に必要な技術も少しずつ培われていくのです。

音楽之友社のムジカノーヴァ2014年9月号に「脳科学・発達心理学・医学 専門家からのアドヴァイス」という記事があり、それによると子供の成長に伴って可能になっていく技術というのが紹介されています。特に、左右の手を独立して動かせるようになるのが10歳以降というのは、自分自身が子供の生徒さんたちを見ていて特に感じたことであり、だからバイオリンが幼児にとっては音楽の導入に優れていると考えるようになった理由でもあります。

逆に、小学生の高学年の子を見ていると成長と共に自然にピアノを弾けるようになっていく例があります。それらは練習の成果というより、持っている意欲が本人を突き動かし、より熱心に研究して問題を解決していくようであり、外部から諭されて身に付けさせられるのではなく、内側から欲して獲得に乗り出していく、という様子です。

もちろん個人差があるので、何をもって「できるようになった」と定義するかは様々ですが、ここでは「目の前の課題を進めるために自分で考えて行動に移す」こととしておきましょう。あとはピアノに向かうことが日々の習慣になって、結果を自分で検証できるようになればもうピアノ教室に毎週のように通う必要はなくなるのです。

技術の習得より意欲が大切

私自身、ピアノを弾き始めたのは19歳、その前にギターを13歳で始めたときはギター教室があることすら知らなかったので、本屋さんで立ち読みしたり、ビデオを見て真似したり、無謀で無計画でした。ただいつももっと音楽で感動したくて、その感動を自分で再現したいと渇望し貪欲に楽器にむかっていたと思います。上記の「自然にできるようになっていく子たち」もできるようになりたい意志が発育とマッチしたときに動き出すのだと思います。

冒頭で紹介した幼児の生徒さんたちには、技術の習得を強要するとストレスになってしまうので、今は焦ら図「できるようになりたい」マインドを育んでいくこをと心掛けたいです。

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